日常の何気ない支出の際に、支払う金額の実際の価値について考えたことはあるでしょうか。例えば昼食代で600円払うとします。この「600円」の支払いを可能にするには平均として「1,000円」を稼ぐ必要があります。所得には税金と社会保険料がかかるからです。

年収1000万円以上になると負担は急増

財務省の報道発表(*1)によると、租税負担率と社会保障負担率を合計した「国民負担率」について2019年度は42.8%となる見通しです。すなわち国民の平均で1,000円稼いでも手取りは約600円ということになります。

しかも日本では、所得が増えるにしたがって税率が急ピッチで上がっていく「累進課税制度(*2)」がとられています。「お金があるところから徴収する」という、ある意味では公正なシステムです。

しかし国税庁のデータをもとに作成された日本経済新聞の調査結果(*3)によると、2016年度の所得税納税額の約半分が、給与所得1,000万円以上(給与所得者全体の4.2%)によって負担されていることが分かっています。

このように、物やサービスを購入・利用する際には、実質的に必要となる労働収入について考えることで、不必要な支出を減らすきっかけになるかもしれません。そして支払い税金の額が大きいため、「高所得者ほど節約すべきではないか」といえるのではないでしょうか。

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