2020年の東京オリンピックを間近に控え、ついに2019年11月30日に、メイン会場となる新国立競技場が竣工。同時に日本スポーツ振興センターはスタジアムの正式名称を「国立競技場」とすることなどを発表しました。メインスタジアムが完成したことで、いよいよ五輪熱も盛り上がってきました。

ところで、皆さんは東京オリンピックの次の大会がどこで開催されるか知っていますか? 開催都市は、大会の7年前に決めるという原則があります。もう決まっているはずなのに、東京オリンピックの影に隠れてか、意外と話題に上がりません。そもそも「2024年にあるオリンピックのことなんか、まったく頭になかった」という人もいるのではないでしょうか。

間近でかつ地元開催の2020年大会については、さまざまなメディアでよく取り上げられていますので、今回この記事では、あえて2024年に開催されるオリンピックや、少し前のオリンピックについて着目してみました。

2024年のオリンピック開催地は?

IOC(国際オリンピック委員会)が2017年9月にペルーのリマで開催した総会で、2024年はパリで開催することを決定しました。以前パリで開催された年は1924年だったので、ちょうど100年ぶりとなります。また、同時に2028年はロサンゼルスで開催されることも決まりました。2大会同時決定は96年ぶりとのことだといいますが、なぜ、同時にロサンゼルスまで決定したのでしょうか?

その背景には、最近のオリンピックに関するある問題があります。2015年の9月、2024年の開催都市に正式に立候補したのは、ハンガリーのブダペスト、ドイツのハンブルク、イタリアのローマ、そしてフランスのパリ、アメリカのロサンゼルスの5都市でした。しかし、巨額の財政負担などの懸念から、立候補を断念する都市が相次いでしまいます。

その結果、パリとロサンゼルスの2都市しか候補に残らず、安定した開催地を確保したかったIOCは、異例の2大会の開催都市同時決定としたのです。このとき、IOCのトーマス・バッハ会長は「大きくて魅力的な鳥が2羽、目の前にいる。どちらかを手放す手はない」と語ったといいます。

巨額の財政負担が大きな壁となったオリンピック。それに伴い、2028年ロサンゼルスオリンピックでは、2020年東京オリンピックの4分の1程度の規模での開催を目指しているそうです。この問題については、ネット上でも、

「このままじゃ2032年にはどこも立候補しないんじゃない?」
「ローマの美人市長が立候補取り下げる英断。どこかの都知事とは大違い」
「どこまでもカネを釣り上げた末にどこもついてこないという」
「IOCの盛大な自爆」

といった冷ややかな見方も数多く見られます。

2016年大会をプレイバック

2028年はロサンゼルス、2024年はパリ、そして2020年は東京。その前の2016年大会は、ブラジルのリオデジャネイロでの開催でした。この大会はまだ記憶に新しい人も多いとは思いますが、東京オリンピックが始まる前に、ちょっとリオ五輪のハイライトを振り返っておきましょう。

2016年のリオ大会は、南米大陸で初めて開催されるオリンピックとして注目を集めていました。日本が獲得したメダル数は41個で、その内訳は次の通りです。

・金メダル……12個
・銀メダル……8個
・銅メダル……21個

体操個人総合と団体の両方で金メダルを獲得した内村航平選手は、皆さんも強く印象に残っているのではないでしょうか。個人総合の最終種目の鉄棒の前、1位のオレグ・ベルニャエフ選手(ウクライナ)との間は0.901点もあり、数字だけ見れば逆転は難しく思えました。しかし、最後の鉄棒で内村選手は完璧に演技し、一方のベルニャエフ選手は小さなミスを重ねたのです。その結果、総合得点で内村選手が0.099点上回り、見事に2連覇を達成しました。あのときは、テレビなどで観戦していた多くの日本人が、大逆転での勝利に酔いしれたものでした。

そのほかにも活躍した選手を挙げると、同じく体操団体で内村選手などとともに金メダルを獲得し、個人跳馬では新技を披露し銅メダルを獲得した白井健三選手や、レスリング女子で五輪女子史上初という4連覇を遂げた伊調馨選手、水泳の男子400m個人メドレーで日本記録を出し金メダルを獲得した萩野康介選手など、ドラマが数多くあった大会でした。

2012年の開催地はどこだった?

では、2016年のリオデジャネイロのさらに前、2012年の大会のことは、まだ覚えていますか?

この年は、史上最多の3度目となるロンドンで開催されました。メダル数は、先ほども述べたように2016年のリオデジャネイロで更新されてしまいましたが、日本は2004年アテネオリンピックの37個を上回って当時の史上最多となる38個のメダルを獲得しました。その内訳は次の通りです。

・金メダル……7個
・銀メダル……14個
・銅メダル……17個

この大会で特に印象深かった出来事の一つは、サッカー女子で初めてのメダル獲得を成し遂げた「なでしこジャパン」でしょう。前年の2011年の女子ワールドカップでは優勝を果たし、「ロンドンオリンピックでも優勝するのではないか」と大きな期待を寄せられていました。しかし、決勝戦までは順調に勝ち進みましたが、最後に宿敵であるアメリカに惜しくも負けてしまい、銀メダルという結果でした。金メダルを逃した悔しさがある一方で、初めて銀メダルを取れた嬉しさもあり、多くの人の記憶に残る大会になりました。

なでしこジャパンのほかにも、前述のように4年後のリオで大活躍することになる内村航平選手は体操個人総合で金メダル、ゆかと男子体操団体で銀メダルとロンドンでも躍動。女子レスリングでは55kg級の吉田沙織選手と63kg級の伊調馨選手の両方が大会3連覇を果たすなど、地球の反対側での日本人の活躍が、多くの人々の感動を呼びました。

東京オリンピックについてのネットの声

2012年のロンドン、2016年のリオデジャネイロと、メダルの獲得数を更新している日本。2020年の東京オリンピックではホームグラウンドとなるので、期待も高まりますね。しかし、巨額の財政負担の問題があったり、開催まで1年を切ってマラソン会場が変更されたりなど、まだまだ問題・悩みの種もあります。SNS上でも、次のようにオリンピックに批判的な声が見られます。

「もうやめろよ東京オリンピック」
「なんか東京オリンピックは始まる前から失敗感が溢れているよな」
「東京・札幌オリンピック、って言ってしまった方が潔いんじゃね」
「まじオリンピック杜撰すぎて笑う」

その一方で、次のようにオリンピックを楽しみにする声も上がっています。

「来年はオリンピック観戦で東京行きが決定してます」
「チケットは20枚申し込んでなんとか1枚だけ当たった。せっかくの機会なので楽しみたい」
「生きてる間にはもう東京オリンピックはないだろうから目に焼き付けとくわ」
「東京オリンピックに向けてテレビを新調したい」

2020年の東京オリンピックは大丈夫なのか、あるいは再びあの感動の渦に包まれることができるのか、いずれにしても、あと数カ月で開幕を迎えます。

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