2020年5月12日に行なわれた、株式会社システナ2020年3月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社システナ 代表取締役社長 三浦賢治 氏

会社概要

三浦賢治氏:それでは、株式会社システナの2020年3月期業績概要および中期経営計画についてお話しします。まず、会社概要ですが、1983年の3月に設立し、今期で39期目を迎えています。役員および監査役に関しては以上のとおりで、ほぼ変更はありません。従業員数については、4月に新卒が入ってきており2,900名、連結においても4月1日現在で3,900名となっています。

システナグループを取り巻く事業セクターですが、主力4セクターはソリューションデザイン事業、フレームワークデザイン事業、ITサービス事業、ソリューション営業事業で変更はなく、そのほかにクラウド事業、海外事業、投資育成事業という合計7つのセクターで現在も事業推進しています。

国内グループ会社

続きまして、国内グループ企業です。連結子会社に関しても前期と同様で変更はありません。一部、黄緑色の囲みの部分ですが、社名がインターネットオブシングスからONE Tech Japanに変更しています。

海外グループ会社

海外グループ会社についても、2拠点とも変更はありません。アメリカの新しいシーズを発掘するSystena Americaはビジネスモデルを新しく作っていこうという役割で動いています。Systena Americaが出資しているStrongKeyおよびONE Techにも変更はありません。

もう1つは、我々のオフショアの拠点であるSystena Vietnamですが、こちらも変更はありません。

業績概要(連結)

それでは2020年3月期の連結の業績概要についてお話ししたいと思います。その前に、まずは新型コロナウイルスの感染症への当社の対応状況と事業活動への影響について冒頭でお話しします。

当社では、今回の新型コロナウイルス感染拡大の問題が取り沙汰され始めた2月あたりから、感染防止および最悪の事態を想定した事業継続の施策を進めてきました。各事業拠点では、社内のすべての居室の入口に手指消毒用のアルコール除菌液を設置しています。また、マスクの着用も推奨して感染予防に努めました。

とくに人が一定以上集まる場所では、会社からマスクの配布を行なうとともに、できる限り人と人との距離をとり、接触や発声による感染の防止に努めています。また、産業医と社内常駐の保健師からの指導に基づき、毎日の検温などの健康管理に関しても、社員に対し継続的に指示し、体調不良者については初期段階から出勤を停止し、社内でのクラスター発生防止のための徹底した措置を実施しています。

あわせて、テレワーク実施のためノートPCやハードウェアの調達、社内システムへのリモートアクセスツール、Web会議システムの導入も進め、在宅勤務可能な社員は順次テレワークに移行しています。また、国の施策や要請に伴い、柔軟な勤務体系を実現すべく各種社内規定の改定を行ない、社員の勤務時間の自由度を向上させています。

さらに、業務の作業場所の分散による情報セキュリティのリスクを軽減するため、社員教育の強化およびテレワーク環境の構築、そのガイドラインのルールと明確化を行なっています。

4月中旬からは、病院と提携した社員の専用オンライン診療を実現し、感染者を出さないための実施のみならず、万一の場合に早期発見、早期対応ができる仕組み作りを整備しています。

5月18日現在、当社内で新型コロナウイルス感染者は確認されていません。これらの施策により、現在当社では通常時と同等の業務の継続が可能となっています。続きまして、業績の概要に入ります。

第4四半期に入り、いまお話しさせていただいたとおり新型コロナウイルスの影響により年度末のスポット案件、PoCを含む予算消化案件がほぼ受注できなかったものの、基盤となるソフトウェア開発、5G関連、インターネットサービス、デジタルトランスフォーメーション中心に好調を継続しています。

ITサービスは業務範囲が拡大、ソリューション営業は好調なシステムインテグレーション事業に注力しています。クラウドは自社商材の販売促進を積極的に展開していまして、これらの結果、増収・増益を達成しています。

売上高におきましては、約645億円、前期比8.1パーセントの上昇。営業利益については、81億6,300万円、前期比18.3パーセントのプラス。経常利益、純利益についてもそれぞれこのような数字で増収・増益を達成することができました。

ポイント①

続きまして、それぞれのセクターにおけるポイントについて少しおさらいしたいと思います。

まず、中核事業の1つであるソリューションデザイン事業ですが、業務システム事業において第3四半期に発生した不採算案件の影響も収束しており、一時的に減少した売上・利益も「5G関連」「インターネットサービス」「DX」「働き方改革」といったキーワードでのシステム開発の引き合い・受注増により、現在回復しています。

注力する分野での受注活動とプロジェクト管理体制の強化を更に継続すべく、事業内容を運営しています。

ベトナムにおいてのオフショアの活用も前期比33パーセント増ということで、第4四半期の動きがほぼなかったことを想定してもポジティブな動きに落ち着いたと思います。

続きまして、フレームワークデザイン事業です。既存の金融分野は大型の保険案件、生損保の開発がピークに至るものの、そこでの落ち込みを新規の保険および業務システムの開発が引き続き順調に進んで堅調に推移しています。

新規サービス分野は、38期から本格的に注力している業務の自動化ソリューション、ライセンス販売、それに伴うSI導入支援等も順調に推移しています。

通期では堅調に推移している既存の売上70パーセント、これから新たに開拓しようと思っている非常に利益性の高い新規のプロジェクトが30パーセントと、順調に利益体質の改善も図られてきています。第4四半期直近では、既存が65パーセント、新規の利益性の高いものが35パーセントと非常に手堅い推移をしています。

ポイント②

続きまして、ITサービス事業です。こちらはお客さまの社内ITサービスに向けた売上がほぼ50パーセント以上を占めていたのですが、38期からプロフィット部門の攻めの部隊をお客さま先として営業強化を推進しています。

これにプラスして社内IT部門、こちらにおいてWindows10の移行、またWindowsServer2008のサポート終了に伴った新たなサービス展開、AI・RPAの導入支援といった付加価値の高いスポット案件が売上と利益を牽引していきました。

とくに、請負型案件の売上が期初よりも続伸しており、約75パーセントの比率まで伸びています。また、新規クライアントの獲得も昨期に比較して52社新規クライアントが増えており、前期比20パーセント増となっています。

最後に中核事業のソリューション営業です。ITサービスのセクターでもお話しましたとおりWinsows7およびWindowsServer2008のサポート終了に伴ってシステム案件、SI案件が非常に増大しました。

それに加えて、「働き方改革」をキーワードにモバイル、セキュリティ、クラウド、を中心に需要が非常に喚起されました。

また、営業部員のひたむきな営業努力、またお客さまの研究からのIT投資のロードマップ把握、IT機器の導入、インフラ構築、システム開発を堅実に行なうことによって、機器販売のみならずお客さまのSI保守運用に至るまでの高付加価値案件を受注につなげています。

ソリューション営業については、案件数が21パーセント増えています。サーバー案件も20パーセント増ということで、非常に堅調に推移しました。新規クライアントも28社増えており、先ほどお話ししたように「ALL Systena」の総合営業を目指したワンストップサービスの営業部隊が構築できているという手応えを感じています。

ポイント③

続きまして、クラウド事業に関してお話しします。DXの案件やデータ経営の見える化をキーワードに需要喚起した結果、「Canbus.」の売上が非常に好調に推移しました。

これに加えて、働き方改革やテレワークをキーワードに「Canbus.」のみならず、それと連携した「G Suite」「Cloudstep」といった自社商材と自社サービスのリンクに非常に手応えを感じています。

また、いろいろなかたちでの働き方改革が各社、各業界に特化して進んできています。それに関連したシステムインテグレーション、SIの受注も非常に好調に推移しました。

これらの結果、前期比、営業利益および売上とも、まだまだ分母は小さいのですが非常に堅調に推移したというところです。

最後に、海外事業ですが、まずは38期下期において営業黒字が定常化してきているという我々にはとても嬉しいニュースが入ってきています。これも併せて投資先であるONE Tech、StrongAuthのPoCの案件が徐々に大きく広がってきているというところが牽引の原動力となっています。アメリカ企業のみならず、複数の日系企業からソフトウェアの開発およびサポート業務の受注が拡大してきています。

これらが営業黒字の定常化に結びついてきていると思いますので、ぜひ39期にもつなげていきたいと考えています。

セグメント別売上高(連結)<前期比>

これらの結果、セグメント別の売上高と前期比のデータはこちらのとおりです。

ソリューションデザイン事業については前期比7.9パーセントの増、フレームワークデザインについても9パーセント、ITサービスにおいては2桁の10.5パーセント、ソリューション営業についても7.7パーセントの増加と、堅調に推移しています。

セグメント別営業利益(連結)<前期比>

続きまして、営業利益ですが、こちらに出ているセクターでそれぞれ大きく躍進しています。ソリューションデザインについては、不採算案件があったにも関わらず前期比10.7パーセントのプラス、フレームワークデザインについては新規領域の売上利益がほぼ確定し、確実なものに変わってきているということもあり、25.7パーセントの伸びになっています。また、ITサービスの裾野が広がってきており、人員増が非常に大きくあったにも関わらず、その固定費のプラスαに関しても利益が大きく上回って18.4パーセントのプラスになっています。

また、主力4事業の最後、ソリューション営業ですが、先ほどお伝えしたWinsows7、WindowsServer2008のサポート終了に伴ったリプレイス案件を非常に大きく獲得しSIにつなげることができています。このような背景もあり、前期比40パーセント増という結果に着地しています。

セグメント別売上高・営業利益 構成比

それぞれの売上高および営業利益の構成比は、この円グラフに示しているとおりです。ソリューションデザイン事業の営業利益率の50パーセント近くを占めているという構図は変わらないものの、それぞれの新しい中核セクターで取り組んでいる新しいサービス、自社商材のような新しい営業展開が実を結んできている手応えを非常に大きく感じていまして、構成比は変わらないものの、手堅いベースの売上、利益の構造になってきていると思っています。

通期業績予想(連結)

続きまして、2021年3月期の通期業績予想をお話ししたいと思っています。今回の2021年の3月期業績予想については、新型コロナウイルスの影響もありまして、発表するか否かで経営陣も非常に悩んだのですが、我々としては新型コロナウイルスの影響を加味した非常に手堅い数字をしっかりステークホルダーのみなさまにお示ししたほうがいいだろうという判断に基づいて今回の計画策定をしています。

残念ながら、数字としてはシステナ中期経営計画を発表して以来初めての減収・減益の計画となりましたが、我々としては、39期上期に与えるコロナの影響が下期から徐々に経済活動が回復されるであろうと見込んだ手堅い数字をここに計上しています。

売上については、前年対比3.6パーセント減の622億円、営業利益については6.5パーセント減の76億円という数字を掲げさせていただいています。

1.ソリューションデザイン事業

それぞれのセクターについてのポイントをお話しします。

まず、ソリューションデザイン事業ですが、こちらのセクターでは4つの取り組みがありますが、まずは1番目のオートモーティブ事業に関してです。世界的にも自動車業界の不振がニュースでも少し耳に入ってきていますが、我々としても得意分野である情報分野(インフォテインメント)の受注を堅調に受注していこうと考えています。また、EV化に向けたADASおよびサービスプラットフォームの新しいモビリティ分野へのシフトを39期も、38期の下期同様推移していこうと考えています。しかしながら、業界全体のクールダウンが影響あるだろうということで、前年比90パーセントと、10パーセント減から5パーセント減であろうと見込んでいます。

続いて、ロボット・AI事業ですが、こちらも売上の分母は小さいながらも、今回の新型コロナウイルスの感染の影響で大きく働き方が変わり、その変革期で今までの業務をAIとロボットが担っていくであろうと期待しています。

医療、サービス、介護でのロボット・AIの活用についてご相談をいただいていますが、我々はこれを新しいシーズと捉えてサービス化メニューの拡充にならないか、または自動化につながるようなAIのエンジニアの育成にならないかというところで受注拡大および育成に注力していきたいと考えています。

続きまして、インターネットサービス事業です。こちらはソリューションデザイン事業の約50パーセント弱を占めるドメインになりますが、引き続き旺盛な需要があります。我々としても、限りあるエンジニアのリソースの中でも選択と集中で高収益な分野に注力していこうと思っています。

まずは、キャッシュレス化に向けたサービスの開発に関して、受注拡大だけではなく開発のラボの拡充も投資していきたいと思っています。また、新たなキーワードとして5G、IoT、AIをキーワードとしたインターネットサービスプロジェクトへの展開も積極的に推進していきます。とくにキャリアを中心としたデバイスシェアリングサービスに関しては、我々としても橋頭堡(ほ)を組んで安定プロジェクトの確保および高利益帯のプロジェクトの受注に関してさらに注力していきたいと思っています。

最後に、業務システムの事業ですが、39期においてもOSS(Open Source Software)を活用したサービスメニューの拡張をベンダーと協業してDXの案件確保に注力していきたいと思っています。

これらの結果、今期の見通しとしては、売上、前期比5パーセントのプラス、240億円、営業利益に関しては、前期比1.1パーセントの微増で41億円を計画しています。

2.フレームワークデザイン事業

続きまして、金融中心の開発部隊のフレームワークデザイン事業です。コロナの感染拡大によるマーケット動向が非常に不透明で、既存事業の継続および横展開が非常に3月、4月と注力しなければならなかったというのがこちらの事業です。

しかしながら、既存事業の推移が非常に順調にいきまして、基盤構築を軸としたプロジェクトの継続と横展開を見込めています。このような安定した大型案件をベースとして新規案件、プロジェクトの受注に向けたDX案件の積極受注を39期も進めていきたいと思います。

また、38期から手応えを感じているRPA、業務の自動化およびAI、セキュリティ、クラウド、遠隔操作等のサービスを拡充した本部間のメーカー協議および代理店との連携を強化して、ライセンス販売、導入支援のサービスをさらに受注拡大していきたいと思います。

また、業務の自動化(RPA)をさらに拡充したハイパーオートメーションにおける新たなシステナのサービスメニューの拡充もフレームワークデザイン事業で積極的に進めていこうと思っています。OCR、音声認識、ワークフローのような新しいキーワードをさらに自動化されるハイパーオートメーションを39期にサービスメニュー化できるべく営業展開のみならず技術者の育成もさらに拡充していきます。

また、新型コロナウイルスの影響によってEXPO等の展示会やセミナーが全面的に中止になっていますが、現在、対営業面の転換として現在Webセミナー、Web会議へシフトしています。対面での営業がなかなか困難であるため、Webセミナーにシフトした場合の集客はどうだろうかと我々も若干心配でしたが、我々の心配をよそに非常にWebセミナーに関しては活況を呈しており、手応えを感じています。

まず、この騒ぎが落ち着くまでの第1四半期はWebセミナーやWeb会議を中心とした営業展開をさらに拡充して下期へつなげて、外出自粛の対応を行なっていきたいと思っています。

3.ITサービス事業

続きまして、ITサービスのセクターです。お客さまのビジネスの状況、影響に合わせたサービスの提供、アライアンスに注力して今期も進めていきます。テレワークやリモート体制をさらに強化しようと考えていますが、テレワークやリモートといった部分で裾野を広げて受注を拡充しているのは、このITサービスのセクターかもしれません。お客さまが社員のリモート体制を確立するためのアウトソーシングおよびその環境の構築には非常に多くの需要を感じています。

また、38期から手がけている我々の新商材、新サービスの引き合いも非常に手応えを感じています。AI関連サービス、RPA、セキュリティの強化支援、またITトレーニングといった新たなマーケットにおける商材をさらに強化してインサイドセールスを活用していきたいと思っています。

対面で受注活動ができなくても、お客さまのこのような商機を逃さない取り組みの環境の構築や、インサイドセールスとして我々が黒子となって動くかたちのサービスに付加価値を見いだしてお客さまの数と売上を今拡充している最中です。ピンチをチャンスに、さらに伸ばすところを伸ばしていければと考えています。

また、請負型案件を75パーセントまで順調に増やしてきていますが、そのような高付加価値の案件へさらに経営資源をシフトすべく39期も進めていきます。他の本部もITサポート、PMO、DXといったキーワードが重複するところがありますが、とくにこのITサービスのセクターにおいては、お客さまに寄り添ってバックオフィスを受注すること、お客さまが1番お困りごととして捉えられている身近な業務を我々が受注するといったようなサービスの領域が非常に得意としているセクターです。

このようなときこそ、根を張るような地道な営業活動がさらに強化される、組織強化にもつながる、そのような1年にしていきたいと考えています。

4.ソリューション営業

続きまして、ソリューション営業のセクターです。こちらに書いてありますように、Winsows7、WindowsServer2008のリプレイスの特需が終わり、逆に新型コロナウイルス感染症の拡大が営業活動に大きく影響を与えるだろうと見ているのがこちらの営業部隊のセクターです。

唯一、前期比2桁の減収・減益の計画を出しています。このような時こそ、我々のサービスメニューの拡充、それと自社商材のラインナップを増やす「ALL Systena」の総合営業に向けた各本部間協業の営業部隊として、SIの案件を受注すべく動いていこうという、まさに根を張る1年の事業活動にしていきたいと考えています。

お客さまの我々に対する受注の要請はまだまだ根強いのですが、残念ながら中国を中心とした製造ラインのストップ、およびチップセットの非常に不足している状況を考えると、そこを中心としたサービス展開はなかなか難しいであろうと考えています。

そのような中へサービスメニューを「ALL Systena」として営業展開し、そして我々のお客さまの中心であるSMBのお客さまは、IT投資においても「さらにどこに効果があるのかを注力して見ていこう、変化していこう」としていると思います。そのようなお客さまへのハイブリッド環境への構築の取り組みの強化や、クラウドパートナーとのアライアンスの強化を進めていきます。

5.クラウド事業

続きまして、クラウド事業になります。クラウド事業についても、現在、ほぼ100パーセントで在宅でのテレワーク中心とした事業活動を行なっています。「Canbus.」を中心とした自社サービスの売上拡大を目指して、さらなる今期も認知度の向上、製品力の強化、お客さま満足度の向上へ、さらなる機能拡張のための先行投資を行なっていきます。

DXやテレワーク、働き方改革を実現するためのお客さまの業務効率化、生産性向上のために我々が提供している「Canbus.」のお客さまのリプレイス案件やSIの受注に注力します。

また、厳しい時こそ営業部隊の強化を図るということで、さまざまなお客さまからお聞きした製品のラインナップや機能強化のリクエスト、またSIの実現について、人材の強化を実施し、クラウド事業がお客さまに提供していける「39期元年」にしていきたいと思っています。

6.海外事業(Systema America Inc.)

最後に、海外事業になります。こちらは38期下期で黒字化が定着してきましたが、39期においてもコロナの影響も受けながらお客さまをキープさせていただき、PoC案件に受注をつなげていくというサービス展開を行なっていきます。また、新しい自社商材のmicroAIや各IoTソリューションをアメリカを中心とした展示会に出展し、営業展開します。

日本においても、少数ですがお客さまにおいてPoCの案件をいくつかいただいています。まだ、新型コロナウイルスの影響でmicroAIの技術的なサポートは整っていないのが現実ですが、技術的な協業およびPoCをまわす場合は、すぐにmicroAIを投入したPoCの受注案件を拡充していくと、そのような準備を整えていきます。

また、日本のマーケットに対してStrongKeyの製品「Tellaro」を販売強化します。アメリカにおいてもカリフォルニアにブランチがある企業を中心に販売強化をしていきますが、それと平行した実績を日本企業においても展開したいと考えています。

通期業績予想(連結)

これらのポイントをベースに、通期業績のセグメント別の売上高は以下の表のとおりになっています。中核4事業に関しては、ソリューションデザイン、ITサービスに関しては前期比微増、ソリューションデザインは5パーセントプラス、ITサービスは7.3パーセントプラス。フレームワークデザインおよびソリューション営業に関しては減収・減益の計画になっています。

通期業績予想(連結)

続きまして、営業利益に関してのセグメント別データは以下になります。冒頭でお伝えしたとおり、39期は新型コロナウイルスの影響によって上半期に相当数のダメージを受けるであろうと考えていますが、我々としては既存のクライアントおよびプロジェクトをベースにした手堅い数字を考えています。経済活動が活性化されるにしたがって、これにプラスαの実績を付加していければと考えています。

通期業績予想(連結)

セグメント別の売上高・営業利益の構成比は、円グラフのとおりです。

以上が2021年度3月期の業績予想のお話になりますが、新型コロナウイルスの影響で経営環境は本当に激変しています。政府の緊急事態宣言によって、「face to face」の営業活動が制限される中、Web会議システム等の導入によるテレワーク営業、テレワークのサポートおよび開発支援については、緊急事態宣言中でも総稼働率90パーセント以上を目標として事業活動を推進しています。

しかしながら、このまま緊急事態宣言が継続され、新規案件立ち上げのためのお客さまとの打ち合わせもままならぬ状況が長期にわたって解除されない場合、さらなる稼働率低下のリスクがあります。この状況を打開するために、テレワーク支援をキーワードとした機器販売、システム構築およびシステムサポート業務などを積極的に受注していきます。

採用計画については、このような時期だからこそ、経験豊富で優秀な人材の確保が可能となります。ピンチはチャンス、そう捉えて積極採用を続けていきます。

非常事態が故に事業活動が止まっている企業など多くのお客さまがいらっしゃいますが、IT投資を完全撤回するお客さまは非常に少ないです。新型コロナウイルスが収束したあと、止まっていた事業案件が一気に吹き上がってくることが予想されます。さらに、テレワークが当たり前になってくる世の中では、現行の通信システムではWeb会議等の動画のクオリティーやリアルタイム性はまだまだ低く、5Gを使った新サービスが爆発的に普及することが想定されます。

我々システナグループは、そのような需要を逃すことなく機動力ある経営を行ない、より最適な経営資源の活性化と再配置を行なっていきます。

最後になりますが、システナグループでは2024年3月期に向けて中期5ヶ年計画を策定し、4年後の業績については、連結売上高1,010億円、営業利益152億円、営業利益率15パーセント、ROE25ポイントを目標としています。

今期は、新型コロナウイルスがいつ収束するかが見えず、非常に苦しい経営のかじ取りになりますが、収束後に一気に動き出すお客さまのIT投資と5G関連の普及も後押しすると考え、2024年3月期を最終年度とする中期経営計画に変更はいたしません。

以上をもちまして、2020年3月期業績概要および中期経営計画の説明を終了します。

記事提供: