韓国人の魂ともいえるサムスン電子、写真は本社

 2020年、韓国は新型コロナウイルス感染症によるパンデミック(コロナ禍)で暴落した株を買い漁る個人投資家たち(いわゆる東学アリ)が出現し、その力で韓国のKOSPI指数はV字回復を示した。

 そのほとんどが最初はサムスン電子の株を買っていたが、2020年の中盤になると、それぞれアンタクト(非接触)株やバッテリー、バイオなどの株に分散した。

 BBIG(バイオ、バッテリー、IT、ゲーム)株がもてはやされた。

 そうした中、サムスン電子(時価総額1位)とSKハイニックス(時価総額2位)の半導体株は多少仲間外れにされた印象だった。

 サムスン電子の株価もどん底からは這い上がったものの、5万ウォン台に留まる時間が長かった。

 しかし、2021年が近づくにつれ事情が変わった。

 2020年11月になると、サムスン電子株とSKハイニックス株が急にもてはやされるようになったのだ。

 中国の通信機器大手ファーウェイが米国から排除されたことや米中経済戦争によるおこぼれで韓国の半導体企業の業績がよくなると予想されたためだ。

 さらに、2021年は半導体サイクルが巡ってくる最高のチャンスだというのだ。

 こうして勢いに乗ったサムスン電子株とSKハイニックス株は、KOSPI指数の牽引役となり、KOSPIは今年に入って3000ポイントという過去最高値を更新した。