ニュース速報

ビジネス

官民共同の米国CO2貯蔵事業、エクソンが提案 1000億ドル規模

2021年04月20日(火)12時20分

 4月19日 米石油大手エクソンモービルは国内の石油化学工場から排出される二酸化炭素(CO2)を回収し、メキシコ湾近くの地下に貯蔵する官民共同事業を提案した。写真は2019年5月、テキサス州ヒューストンで撮影(2021年 ロイター/Loren Elliott)

[ヒューストン 19日 ロイター] - 米石油大手エクソンモービルは19日、国内の石油化学工場から排出される二酸化炭素(CO2)を回収し、メキシコ湾近くの地下に貯蔵する官民共同事業を提案した。

エクソンの低酸素ソリューション事業のジョー・ブロンマート社長はインタビューで、2030年までに5000万メートルトンのCO2を回収し、回収能力を40年までに倍増させる計画だと述べ、企業や政府機関から1000億ドル以上の資金支援が必要になると説明した。

テキサス州のヒューストンのメキシコ湾岸沿いには「脱炭素が難しい」産業が集約していると指摘。「二酸化炭素削減コストを引き下げ、雇用を創出し、排出量の削減が可能な経済を作り出せる」と述べた。

エクソンに対しては、よりクリーンな燃料への移行を求める株主の圧力が高まっている。同社は低酸素事業への支出を増やし、温室効果ガスの排出削減を表明している。

このCO2貯蔵プロジェクトでは、石油精製会社や化学会社などに協力を打診しているという。エクソンの広報担当者は「投資家や銀行、政府関係者からは良い手応えを得ている」と語った。

エクソンは、CO2回収が40年までに2兆ドル規模の市場になると見込む。同社は炭素税導入や米国のパリ協定復帰を支持している。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国投資家、転換社債の購入拡大 割安感や転換権に注

ワールド

パキスタンで日本人乗った車に自爆攻撃、1人負傷 警

ビジネス

24年の独成長率は0.3%に 政府が小幅上方修正=

ビジネス

ノルウェー政府系ファンド、ゴールドマン会長・CEO
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 4

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 5

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 6

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 10

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中