ニュース速報

ビジネス

アルファベット、第1四半期は過去最高益更新 自社株買い500億ドル計画

2021年04月28日(水)10時06分

 米グーグルの持ち株会社アルファベットが4月27日発表した第1・四半期決算は、売上高が市場予想を上回り、純利益は2四半期連続で過去最高を更新した。2020年7月、チューリヒで撮影(2021年 ロイター/Arnd Wiegmann)

[27日 ロイター] - 米グーグルの持ち株会社アルファベットが27日発表した第1・四半期決算は、売上高が市場予想を上回り、純利益は2四半期連続で過去最高を更新した。消費者の活発なネット利用と好調な広告事業が寄与した。500億ドルの自社株買い計画も発表した。

ただ、同社幹部は、新型コロナウイルス禍のオンライン利用と広告販売の急増について、対面の活動が再開するのに伴い鈍化する可能性があるとの認識を示唆した。

引け後の時間外取引で、アルファベットの株価は約4.3%高の2390.10ドルとなった。

純利益は162%増の179億ドルと、前期の152億ドルを上回り過去最高益を更新。1株当たり利益は26.29ドルで、市場予想の15.88ドルを上回った。ただ、ベンチャーキャピタル投資の未実現利益やデータセンター設備の減価償却の修正が利益のうち40億ドル近くを占めた。

売上高は前年同期比34%増の553億ドルで、リフィニティブがまとめたアナリスト予想の517億ドル(26%増)を上回った。1月のウエアラブル端末メーカー、フィットビットの買収による寄与があったが、額は明らかになっていない。

広告事業の売上高は32%増加し、市場予想を上回った。クラウド事業の売上高も45.7%増で、予想と一致した。

ルース・ポラット最高財務責任者(CFO)はアナリストとの電話会見で「消費者行動や広告支出のこれまでの変化がどれだけ持続するかを予測するのは時期尚早だ」と述べた。

人材の確保や訴訟関連費用、施設の増設などのコストが再び増加し始めているものの、営業利益率は2015年のアルファベット設立以降で初めて30%に達した。

自社株買い枠は2019年発表の250億ドルに続き設定。ジェフリーズのアナリストの試算によると、アルファベットは現時点で、560億ドルを自社株買いに充てる余地がある。

<小売やテクノロジー業の広告好調>

同四半期に広告事業収入は全体の売上高の81%を占めた。

フィリップ・シンドラー最高事業責任者(CBO)は、小売やテクノロジー、消費財といった業種が検索広告の主要な広告主だったと説明。

ポラットCFOとシンドラーCBOはともに、コロナ前の主要な広告主だった旅行などの業種の広告支出が回復しているかどうかについてコメントを控えた。

クラウド事業の営業損益は9億7400万ドルの赤字と、赤字幅が44%縮小した。ただ、ポラットCFOはアナリストに対し、減価償却などの一時的な要因が大きかったとして、深読みしないよう呼び掛けた。

グーグルはプライバシーや反トラスト法(独占禁止法)関連の複数の訴訟に直面しているが、決着するまでには数年単位の長い時間がかかるとみられる。

*利益の過去最高更新と幹部のコメントを追加しました

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米金利先物、9月利下げ確率60%に小幅上昇 PCE

ビジネス

ドル34年ぶり157円台へ上昇、日銀の現状維持や米

ワールド

米中外相会談、ロシア支援に米懸念表明 マイナス要因

ビジネス

米PCE価格指数、3月前月比+0.3%・前年比+2
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中