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NY市場サマリー(12日)ドル上昇、主要株価3指数が最高値

2021年07月13日(火)07時09分

[12日 ロイター] -

<為替> 感染力が強い新型コロナウイルスのデルタ変異株の感染が世界的に拡大していることでリスク選好度が低下し、安全資産としてのドルに買いが入った。

世界的な景気回復の行方を見極めようと、市場では米労働省が13日に発表する6月の消費者物価指数(CPI)のほか、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が14─15日に行う証言が注目されている。

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.1%高の92.264。前週付けた3カ月ぶり高値の92.844からそれほど大きく乖離していない。

リスク選好度が低下する中、豪ドルは対米ドルで0.17%下落した。

英ポンドは0.22%安の1.3879ドル。 英国のジョンソン首相はこの日、イングランドでまだ実施されている感染拡大抑制措置の大部分を計画通りに19日に解除するにあたり、国民に警戒を促すとともに、感染者数は増加しており、パンデミック(世界的大流行)は終息していないと強調した。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは約3.4%安の3万3109.25ドル。イーサは5.2%安の2028.54ドル。

<債券> 米債利回りが小幅に低下。12日に実施された3年債および10年債入札で堅調な需要が見られたことを受けた。

米財務省が実施した380億ドルの10年債入札では最高落札利回りが1.371%と、入札前に取引されていた水準をやや下回った。入札前に利回りが上昇したことを受け、需要が高まった可能性がある。

580億ドルの3年債入札でも堅調な需要が見られ、最高落札利回りは0.426%と入札前に取引されていた水準を1ベーシスポイント(bp)超下回った。

指標10年債利回りは1.344%。前週8日には一時1.25%と2月16日以来の低水準を付けていた。30年債利回りは1.967%。8日には1.856%と2月2日以来の低水準に達していた。

財務省は13日に240億ドルの30年債入札を実施する。

FRBがこの日、国債を対象とした翌日物リバースレポで吸収した資金は7760億ドルだった。

<株式> 主要株価3指数が終値で最高値を更新。電気自動車(EV)のテスラや銀行株が上昇を主導した。市場参加者は、今週から始まる米企業の四半期決算発表に加え、一連の経済指標に注目している。

S&Pの主要セクターでは金融、通信サービス、不動産が0.8%超上昇した。

テスラは4%超値上がりし、S&P総合500種とナスダック総合の上げを主導した。テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は12日、テスラによる米ソーラーシティへの投資に関する株主代表訴訟で法廷で証言。自身はテスラの取締役会を意のままに操ったことはないとし、同投資を擁護した。

米銀大手の決算発表を今週に控え、S&Pの銀行株指数は1.3%高。13日に決算を発表するゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェースはそれぞれ1%超、2%超上昇し、ダウ工業株30種を押し上げた。

S&Pは年初来約17%上昇しており、一部の投資家は今後どの程度上昇が続くか疑問視している。

今週はインフレデータや小売統計など一連の経済指標や、パウエルFRB議長の議会証言も注目材料となる。

娯楽大手ウォルト・ディズニーは4%超上昇して2カ月ぶりの高値。マーベル映画「ブラック・ウィドウ」の公開直後の週末興行収入が8000万ドルとなった。また、ディズニーはスポーツ放送のESPNプラスの契約料値上げを計画している。

中国の配車サービス大手、滴滴出行(ディディ)は約7%下落。同社は、自社が運営する25個のアプリをアプリストアから削除するとの通知を中国サイバースペース管理局(CAC)から受けたことを確認し、売上高に影響する可能性があるとの見解を示した。

英宇宙旅行会社ヴァージンギャラクティックは17%安。同社は12日、最大5億ドル相当の株式を売却する可能性があると発表した。前日には新型有人宇宙船「スペースシップ2」の試験飛行が成功し、ヴァージン・グループ創業者で富豪のリチャード・ブランソン氏が自ら搭乗員の1人として初めての宇宙空間と無重力などを体験していた。

<金先物> 対ユーロでのドル高が重しとなり、反落。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前週末比4.70ドル(0.26%)安の1オンス=1805.90ドル。

<米原油先物> 新型コロナ変異株の流行に伴う景気への影響を懸念し、3営業日ぶりに反落。米国産標準油種WTIの中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前週末比0.46ドル(0.62%)安の1バレル=74.10ドル。9月物は0.37ドル安の73.44ドルだった。

市場は有力産油国による今後の生産動向にも注目。サウジアラビアとアラブ首長国 連邦(UAE)の対立で、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する 「OPECプラス」の月初の協議は決裂し、従来の協調体制が崩れかねないの思惑も浮上 している。

ドル/円 NY終値 110.35/110.38

始値 110.17

高値 110.40

安値 110.11

ユーロ/ドル NY終値 1.1859/1.1863

始値 1.1844

高値 1.1873

安値 1.1837

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 108*13.00 1.9995%

前営業日終値 108*26.50 1.9820%

10年債(指標銘柄) 17時05分 102*11.50 1.3678%

前営業日終値 102*15.00 1.3560%

5年債(指標銘柄) 17時00分 100*12.50 0.7946%

前営業日終値 100*13.75 0.7870%

2年債(指標銘柄) 17時00分 99*25.63 0.2267%

前営業日終値 99*26.25 0.2170%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 34996.18 +126.02 +0.36

前営業日終値 34870.16

ナスダック総合 14733.24 +31.32 +0.21

前営業日終値 14701.92

S&P総合500種 4384.63 +15.08 +0.35

前営業日終値 4369.55

COMEX金 8月限 1805.9 ‐4.7

前営業日終値 1810.6

COMEX銀 9月限 2623.9 +0.5

前営業日終値 2623.4

北海ブレント 9月限 75.16 ‐0.39

前営業日終値 75.55

米WTI先物 8月限 74.10 ‐0.46

前営業日終値 74.56

CRB商品指数 212.7070 +0.9102

前営業日終値 211.7968

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