ニュース速報

ビジネス

日本電産、過去最高の四半期売上高 25年度4兆円へ買収も検討

2021年07月21日(水)20時40分

[東京 21日 ロイター] - 日本電産が21日に発表した2021年4─6月期の連結売上高は、車載関連など各部門が軒並み好調で、四半期として過去最高の4474億円となった。25年度までに企業買収などを実施し、総売上高を4兆円とする中期計画も公表した。

連結売上高は前年同期から32%の増収。営業利益は60%増の445億円だった。新型コロナウイルス禍による自動車生産の停止で前年同期に営業赤字を計上した車載関連が、48億円の黒字へと大幅に改善。欧米で好調な家電・商業・産業用も196億円と倍増した。機器装置用は5G向け需要が好調な半導体検査装置の増収で、4割増の86億円となった。

22年3月通期の連結営業利益見通しは1800億円と、従来予想を据え置いた。会見した関潤社長は「半導体などの材料不足で客先の生産が伸びなかったが、特に自動車市場の需要が旺盛なのは、北米のディーラー在庫などでも明らか。第2・四半期以降はしっかり回復する」との見通しを示した。

IBESがまとめたアナリスト22人の連結営業利益予想の平均値は1935億円。

<「車載関連で大きな会社買う」>

中期計画では、車載関連と家電・商業・産業向けでそれぞれ1兆円超の売上高計上を狙う。特に、電気自動車を駆動させるトラクションモーターを成長の柱とする戦略で、中国で爆発的な人気を集めている小型車「宏光ミニEV」への採用を働きかけているという。

会見に同席した永守重信会長は、今後の企業買収について「車載関連ではそこそこ大きな会社を買う。(売上高が)7000─8000億円程度の会社を買収すれば、既存部門の成長で売上高4兆円は達成できる」と話した。

<鴻海がEV参入に向け複数の合弁会社設立を模索>

台湾の鴻海科技集団との間で、EV用モータ関連製品の生産や販売を手掛ける合弁会社の設立を検討することも発表した。

関社長によると、鴻海はEV生産への参入に向けて、バッテリーなど他の重要部品についても、合弁会社の設立を模索しているという。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インドネシア中銀、予想外の0.25%利上げ 通貨下

ワールド

再送-イスラエル、近くラファに侵攻 国内メディアが

ビジネス

ECB、追加利下げするとは限らず=独連銀総裁

ビジネス

焦点:企業決算、日本株高再開の起爆剤か 割高感に厳
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 6

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 7

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 8

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 9

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 10

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中