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サムスン電子、第3四半期営業益は3年ぶり高水準へ 半導体価格高で
韓国のサムスン電子は10月8日、第3・四半期の営業利益が前年同期比28%増の15兆8000億ウォン(133億ドル)と、3年ぶりの高水準になるとの見通しを示した。2018年2月、スペインのバルセロナで撮影(2021年 ロイター/Yves Herman)
[ソウル 8日 ロイター] - 韓国のサムスン電子は8日、第3・四半期の営業利益が前年同期比28%増の15兆8000億ウォン(133億ドル)と、3年ぶりの高水準になるとの見通しを示した。メモリーチップ価格の上昇や折り畳み式スマートフォンの新モデルの好調な販売が寄与するという。
営業利益は前期比では26%増加した。リフィニティブのスマートエスティメートの予想(16兆1000億ウォン)はやや下回った。
アナリストらはメモリーチップの価格下落を見込み、第4・四半期の営業利益を第3・四半期と同程度、もしくはこれをやや下回る水準と予想。きょうのソウル株式市場で、サムスン電子は一時の上げ幅を縮小し、午後の取引では0.4%高となっている。
売上高は前年同期比9%増え、過去最高の73兆ウォンになる見通しだとした。月内に正式な決算を発表する予定。
ケープ・インベストメント&セキュリティーズのアナリスト、Park Sung-soon氏は「モバイル事業の営業利益は市場予想を下回った可能性がある。マーケティング費用と販売した製品の内容を見極める必要がある」と述べた。
アナリストはサムスンの半導体部門の営業利益が約79%増えたと予想。メモリーチップの価格上昇と出荷量増加のほか、受託生産事業の収益性の大幅改善が背景にある。
半導体部門は今年上半期全体の営業利益のほぼ半分を占めた。
アナリストは、世界的にロックダウン(都市封鎖)が緩和される中、パソコンに利用される半導体メモリーの価格が第4・四半期から下落するほか、スマートフォン出荷も落ち込む可能性があるとみている。
来年の明るい材料は半導体受託生産事業となりそうだ。サムスンは7日、来年上半期に回路線幅3ナノメートルの最先端半導体の生産を開始する計画を発表した。
モバイル端末部門についてアナリストは、新スマホモデルの1カ月間の推定販売台数200万台を踏まえると、同社の折り畳み式スマホの市場シェアは昨年よりも拡大したと分析。ただ、世界的な半導体不足による部品価格の上昇や販売コスト増が販売好調を相殺した可能性が高い。
ディスプレー部門は堅調な決算となりそうだ。アナリストらによると、主要顧客の米アップルが9月下旬のiPhone13シリーズ発売を前に発注を増やした。