ニュース速報

ビジネス

SBIが預保に回答、新生銀TOBは公的資金返済へ価値向上が目的

2021年11月12日(金)14時59分

SBIホールディングスは12日、預金保険機構から受けた質問状に回答し、新生銀行株式の公開買い付け(TOB)を実施するのは伝統的な銀行から脱却し、公的資金約3500億円の返済につなげるよう企業価値を上げることが最大の目的と表明した。都内で9月撮影(2021年 時事通信)

[東京 12日 ロイター] - SBIホールディングスは12日、預金保険機構から受けた質問状に回答し、新生銀行株式の公開買い付け(TOB)を実施するのは、伝統的な銀行から脱却し公的資金約3500億円の返済につなげるよう企業価値を上げることが最大の目的と表明した。

TOBが成立すれば少数株主の利益に配慮し、企業価値向上の際の利益は少数株主にも正当に配分することを約束するとした。また、企業価値向上の道筋がつけば必要な認可を取得した上で過半数以上の株取得を検討するという。

TOBにおいて上限を48%としているのは、新生銀の早期の経営改善が急務な中、銀行持ち株会社認可を取得するには一定の時間を要するためと説明している。

ガバナンス面では、独立社外取締役が取締役総数の過半となる体制とすることを表明。TOB成立後にSBI側と新生銀で独立社外取締役選定委員会を組成し、社外取締役候補を決める。また、すでに提案している社内取締役に加え、新生銀からも若干名の業務執行取締役を選任する可能性がある。

新生銀が地域金融機関に出資することは現時点で想定していないとしながらも、財務健全性や少数株主に不利益にならないなどと取締役会で判断した場合、出資も一案とした。

新生銀の買収防衛策は、資本市場における正当な取引を経営者の保身目的で否定することを企図したものと指摘。ただ、新生銀が25日に開く臨時株主総会で買収防衛策が承認された場合はTOBを撤回し、保有株式は完全売却を含めさまざまな選択肢を検討するとしている。

これとは別にSBIは、米議決権行使助言会社のISSなどが新生銀の買収防衛策に賛成票を投じるよう株主に推奨したことについて、「十分な根拠がないもので、大変遺憾」との見解を発表した。

1株2000円というTOB価格については、新生銀の「本質的価値」の具体的な水準や根拠が明らかではないため「買付価格を引き上げるつもりはない」とした。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:「豪華装備」競う中国EVメーカー、西側と

ビジネス

NY外為市場=ドルが158円台乗せ、日銀の現状維持

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型グロース株高い

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 4

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 5

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 6

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 7

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中