ニュース速報

ビジネス

新生銀の買収防衛策に国が反対、読売など報道 発動賛成せずと関係者

2021年11月23日(火)09時54分

読売新聞は22日、SBIホールディングスの株式公開買い付け(TOB)に対して新生銀行が導入を目指す買収防衛策について、国が反対する方針を固めたと報じた。金融庁の幹部はロイターの取材に対し、発動に賛成しない意向を示していた。写真は新生銀行本店。10月21日、東京で撮影(2021年 時事通信)

[東京 23日 ロイター] - 読売新聞は22日、SBIホールディングスの株式公開買い付け(TOB)に対して新生銀行が導入を目指す買収防衛策について、国が反対する方針を固めたと報じた。金融庁の幹部はロイターの取材に対し、発動に賛成しない意向を示していた。

国は預金保険機構と整理回収機構を通じて約2割の新生銀株を保有。SBIの保有分と合わせると4割以上となる。発動には株主の過半数の賛成が必要で、読売は、25日に新生銀が開く臨時株主総会で否決される見通しが強まっていると伝えている。

NHKや共同通信も23日、預金保険機構が発動に反対する方向で調整中と報じた。

両機構の母体である金融庁にコメントを求めたが、現時点で得られていない。同庁幹部はロイターの取材に対し、「ポイズンピル(毒薬条項)が良くないというよりは、(TOBされた後の)あのタイミングで希薄化を招く防衛策というのが良くない」と述べ、選択肢から賛成を排除する考えを示していた。

新生銀の前身は国が公的資金を注入した日本長期信用銀行で、いまも約2割の株式を国が保有している。金融庁は、「公的資金の返済に資するかどうか」(金融庁関係者)を議決権行使の判断基準の一つとしていた。

ただ、新生銀は返済への道筋や成長戦略を示せておらず、「本来はSBIのビジネスモデルに対して、新生銀がより良いものを描き、今の経営を守るための経営方針を出すべきなのに、そこが描けていない」(最初の金融庁幹部)との声が上がっていた。

SBIは9月10日にTOBを開始。新生銀株の保有比率を約2割から48%まで引き上げることを目指している。

新生銀は、友好的買収者であるホワイトナイト(白馬の騎士)を引き続き探す考えを示しており、工藤英之社長は、「臨時株主総会までの間も最適なパートナーを探す取り組みを継続する」としていた。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

スパイ容疑で極右政党議員スタッフ逮捕 独検察 中国

ビジネス

3月過去最大の資金流入、中国本土から香港・マカオ 

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、4月速報値は51.4に急上昇 

ビジネス

景気判断「緩やかに回復」据え置き、自動車で記述追加
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバイを襲った大洪水の爪痕

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    冥王星の地表にある「巨大なハート」...科学者を悩ま…

  • 9

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 7

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中