中国 北京のアップルストア(写真:ロイター/アフロ)

 香港のカウンターポイント・リサーチが1月26日に公表したリポートによると、中国のスマートフォン市場で米アップルの「iPhone」の販売台数が6年ぶりに首位に浮上した。

 2021年10~12月期におけるiPhoneの販売台数シェアは23%で、過去最高だった。21年9月に発売した「iPhone 13」シリーズは、カメラ性能の進化や処理能力の向上、バッテリー駆動時間の延長、ストレージ容量の増加といった機能向上があったにもかかわらず、比較的低い価格設定だった。このことが中国の消費者に受け入れられたという。また中国・華為技術(ファーウェイ)製スマホの落ち込みもアップルの追い風になったとカウンターポイントは指摘している。

ファーウェイの失速がアップルの追い風に

 中国のスマホ市場では長らくファーウェイが首位を守ってきた。だが、米政府が20年9月に輸出規制を強めて以降、スマホに使う高性能半導体やソフトウエアの調達が困難になり、同社のスマホは失速した。

 ファーウェイは輸出規制の影響をかわす狙いで20年11月に低価格ブランド「オナー(HONOR)」を中国地方政府の傘下企業などが設立した会社に売却した。

 20年4~6月期に世界スマホ出荷台数で初めて1位になったファーウェイだが、同年7~9月期に2位に後退。21年には5位圏外に転落した。英フィナンシャル・タイムズは、「ファーウェイは、かつて重要な柱であったスマホ事業から離れ、ビジネスの再構築を余儀なくされている」と報じている。

 これに伴い同社の消費者向け電子機器の生産量が低下している。21年におけるファーウェイの売上高は前年比29%減の6340億元(約11兆4400億円)になったとみられている。