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テスラ第2四半期、値上げで利益予想超え マスク氏「需要に問題ない」
米電気自動車(EV)大手テスラが20日に発表した第2・四半期決算は増益となった。2018年1月撮影(2022年 ロイター/Lucy Nicholson)
[20日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラが20日に発表した第2・四半期決算は調整後利益が市場予想を上回った。中国での新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)が生産に影響したものの、人気車種の値上げが利益を押し上げた。
テスラは「記録的な下期」になるとの見通しを示し、今後数年で納車台数の伸びを年平均50%にするという目標を改めて示した。2022年の具体的な納車台数目標は明らかにしなかった。
イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は電話会見で、需要に問題はないと述べ、世界景気がテスラの利益に影響しているとの見方を否定した。
時間外取引でテスラ株は約1%上昇した。株価は11月のピークからは約40%下げている。
第2・四半期の総売上高は169億3000万ドルと、前四半期の187億6000万ドルから減少。コロナの感染再拡大を受けた上海工場の閉鎖などが響き、売上高の過去最高記録の更新はストップした。
リフィニティブIBESのデータによると、アナリスト予想は171億ドルだった。
調整後利益は1株当たり2.27ドル。アナリスト予想の1.81ドルを上回った。
第2・四半期は上海工場の月間生産台数が過去最高を記録した。マスク氏が以前、数十億ドルの損失を出していると明らかにしていたテキサス州の工場とベルリンの新工場については生産が増え続けているとしたが、詳細な生産見通しは示さなかった。
モルガン・スタンレーは決算発表後のリポートで「ベルリン工場を中心に生産拡充に伴う(新たな)課題が短期的に利益の逆風になる」との見通しを示した。
テスラは今年、電池に使われるリチウムや車体用アルミなど原材料のコスト上昇に対処するため、数回にわたり価格を引き上げてきた。ただ、マスク氏はインフレが沈静化すれば値下げを行うと述べている。
第2・四半期の自動車関連の粗利益率は27.9%。インフレを背景に前年同期と前期から低下した。
<暗号資産>
テスラはまた、保有する暗号資産(仮想通貨)ビットコインの約75%を法定通貨に戻したと発表。これに伴いバランスシートに現金9億3600万ドルを計上した。
マスク氏は会見で、ビットコインの売却は中国のロックダウンがどれほど続くか分からない時期に流動性を高めるために行ったと説明。テスラが保有するドージコインは売却していないと語った。
同社は昨年初めにビットコインへの投資を発表。マスク氏はビットコインを売却することはないと昨年5月に述べていた。
ハーグリーブス・ランズダウンのアナリストは、ビットコインの下落でテスラが被った損失が今回の決算でほぼ認識されたとし、テスラの投資戦略を巡り、マスク氏の資質が疑問視され始めているとの見方を示した。