ニュース速報
ビジネス
米ファイザーのコロナワクチンの来年の新価格設定、市場想定上回る
米政府が打ち出した来年の新型コロナウイルスワクチンの政府購入終了をにらみ、米製薬大手ファイザーが発表した商業化後の米国での価格を1回分110─130ドルとする計画について、アナリストからは予想を上回るとの声が上がった。写真は2021年12月撮影(2022年 ロイター/DADO RUVIC)
[21日 ロイター] - 米政府が打ち出した来年の新型コロナウイルスワクチンの政府購入終了をにらみ、米製薬大手ファイザーが発表した商業化後の米国での価格を1回分110─130ドルとする計画について、アナリストからは予想を上回るとの声が上がった。
ファイザーの発表では米国価格は最大4倍の価格引き上げになる。ウェルズ・ファーゴのアナリスト、モヒト・バンサル氏はリサーチノートで、同社が想定していたのは50ドルで、高所得国向けの高めの差し引き価格でも80ドルと予想していたと指摘。計画通りの価格になればファイザーの年間売上高が約25億─30億ドル増える可能性があるとした。
SVBセキュリティーズのアナリスト、デービッド・ライシンガー氏はリサーチノートで「(ファイザーのライバルの)米モデルナもこれにならうとみる」とし、米ノババックスなども予見できる将来に同様の価格設定に動くと予想した。モデルナはこれまでに、接種の商業化後は1回分64─100ドルを想定すると表明していた。
追加接種用コロナワクチンの需要が予想されたより鈍いことから、アナリストの間ではメーカーが来年やその後の売上高見通しを達成するには価格引き上げが必要になるとの見方が出ていた。
コロナワクチンメーカーは現状で低所得国には価格を最も引き下げる代わり、高所得国には最も高値を設定。ファイザーは今回の発表で、発展途上国との来年いっぱいの契約はこれまでに合意した価格のままになるとしている。